20.ひと様の世話にならずに過ごしたい! ~サルコペニア・ロコモティブシンドローム・健康寿命のビミョーな関係~

 今年は秋になっても残暑の厳しい日が続きましたが、ようやく秋らしいさわやかな気候になりました。「食欲の秋到来!」と言いたいところですが、健康運動指導士の私は「スポーツの秋到来!」と言うべきでしょうか・・・。


 さて今回は、「将来介護が必要になるかどうかは、日頃の体の動かし方が関係している」というお話です。


 「サルコペニア」1 や「ロコモティブシンドローム」2 という言葉は、みなさん聞いたことがあると思います。「平均寿命」3もご存知ですね。では「健康寿命」はいかがですか?「健康寿命」とは「病気などで日常生活が制限されず、健康的で自立できる」という年齢です。つまり、「ひとの世話にならずにすむ」年齢です。日本人の平均寿命はどんどん延びて、いまや男女共に人生80年に突入です(2015年男性平均寿命80.79歳 女性平均寿命87.05歳)。問題は健康寿命の長さです。


 少し古いデータですが2013年の健康寿命は男性71.19歳、女性74.21歳で、同じ年の平均寿命との差は男性約9年、女性約12年の差があり、その間何らかの支援が必要になる訳です。このことを知ったとき私は「平均寿命まで生きるとしたら、12年も嫁(あるいは息子あるいは施設)の世話になるのか!?」と愕然としました。「できることならひと様の世話にならずにいたい。世話になるならできるだけ短く!」と心から思ったわけです。みなさんも同じですよね。どうしたらそのようなことが可能でしょうか・・・。


 どうやらこの健康寿命は、サルコペニアやロコモと関係あるようです。要支援や要介護状態になる主な原因は、関節疾患、高齢による衰弱、骨折、転倒などが多いようです。加齢による活動量の低下や若い頃からの運動不足は、サルコペニアの状態になりやすいといわれています。サルコペニアになるとますます動くことが億劫になり、ロコモへと進みます。ロコモになるとバランス能力も低下しているため転倒しやすく、骨ももろくなっているため転ぶと骨折する可能性が高くなります。


 健康寿命を少しでも延ばし、要支援・要介護状態をとおざけるには、もともとの原因であるサルコペニアを予防することが重要です。現在運動習慣がある方は、どうぞこのまま続けましょう。運動習慣がない方は、とりあえず今よりも活動量を増やしましょう。ウォーキングやラジオ体操などの「運動」ができれば理想的です。「いきなり運動はちょっとムリ・・・」という方は、普段歩くときは今までよりも少し歩幅を広げたり、歩く早さを少しスピードアップしてみましょう。テレビを横になってみている方は座りましょう。犬の散歩やウィンドウショッピング、冬の雪かき、トレッキングなど、どんなことでもオッケーです。


 健康寿命を延ばすための工夫は、どの年代から始めても大丈夫。気づいたときが始め時です。みなさん、ぜひ体を動かしましょう!  え、私ですか?もちろん今日もジムへ行きますよぉ~!!


保健師・健康運動指導士  関 夏恵


1:サルコペニア:加齢に伴う筋力および筋量の低下


2:ロコモティブシンドローム:運動器(筋肉・関節・骨・じん帯など)の障害のため、移動(歩行)能力の低下をきたした状態


3:平均寿命:人が生まれてから亡くなるまでの期間