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病院について

ごあいさつ

統括院長のご挨拶

 日頃より、北信総合病院に対する格別なご支援に深謝いたします。

 今年度は、新型コロナウイルスの感染症法上の取り扱いが2類から5類へ変わります。その移行に伴う体制の転換が一番の課題になるかと思います。ウイルスは、その分類が変わっても病原性も感染力も変わりはなく、特にご高齢の患者さんの多い当院におきましては、引き続き患者さんをウイルスから守っていかなければなりません。この3年間、県の指定する第二種感染症指定機関として積極的にコロナ患者さんを受け入れてきたノウハウを生かしつつ、新しい体制で新型コロナウイルスと向き合ってまいります。

 当院は、ここ数年にわたり、地域の中核病院として著しく発展してまいりました。それは、建物だけではなく、高度医療機器・設備の整備による先進医療提供のための機能強化、そして、臨床研修指定病院、災害拠点病院、救急告示病院、長野県災害派遣医療チーム指定病院、地域がん診療病院、周産期母子医療センター、リハビリテーション総合承認施設、人間ドック認定病院など数多くの指定・認定を受けることによる病院としての総合的な医療機能の充実であります。今年度は、精神科、消化器内科、循環器内科、脳神経外科の医師が増員され、糖尿病内分泌内科の医師も常勤となり、診療の質と幅が更に充実されます。

 一方で、今年度中に解決しければならない大きな課題に医師の働き方改革があります。これまで医師は、自らの健康と生活を犠牲にしてでも、診療のためなら労働時間を度外視して昼夜の別なく献身的に治療に尽くすことが誉れとされてきました。そのボランティア的な精神によって地域医療が成り立ってきたとも言えます。しかしながら、来年の4月からは、医師であれども規定された労働時間の枠を超えて働いてはならないという法律が施行されます。これが医師の働き方改革です。医師が診療に関わる時間が法的に制限されることになりますが、一方で、医師がきちんと休みを取って身体と気持ちをリフレッシュして患者さんと向き合うことも、安心・安全な医療を提供するためには大切です。新しい法的規制のもとでも患者さんに不利益が生じることなく、患者さんの命と医師の健康を守りつつ、良き医療を提供し続けていけるような体制を、向こう一年をかけて整えてまいります。

 もう一つの課題は、国が掲げている地域医療構想とかかりつけ医制度に当院を如何にマッチングさせていくかです。国は病院を「急性期の患者さんを診る病院」と「回復期を診る病院」、「慢性期を診る病院」に機能分類し、地域の中核病院は、かかりつけ医としての診療所から紹介される患者さんの診療に注力しなさい、という基本的方針で医療改革を進めようとしております。多くの診療科と高度医療機器を擁する当院は、分類上は多機能急性期病院となります。しかしながらこの地域においては、国の構想に合わせて機能分類するに足りるだけの回復期や慢性期を診る病院の数が少なく、当院は、手術などの急性期のみならず回復期や慢性期の患者さんの入院治療も行なっていかねばなりません。また、診療所の数も限られておりますので、かかりつけ医としての機能も果たしていかざるをえません。すなわち北信地域の中核病院として当院に求められている実際の使命は、最先端の急性期医療から在宅ケアまで、さまざまなニーズに応じた幅広い医療を提供することであります。その姿は、必ずしも国策と合致するものではありませんが、私たちは、地域の求める北信病院らしくありたい。そのためには、今まで以上に地域の医師会や周辺医療機関、行政との連携を強く深めていくことが肝要で、地域ぐるみで地域医療構想に取り組んでいかねばなりません。

 今年度は、こうしたさまざまな課題と大きな変化が待ち構えておりますが、変化する物事の焦点を見極め、従来のやり方に囚われることなく、『変化に強い病院』をめざしてまいりたいと思っております。

『地域創生の核となる病院をめざす』この理念のもとに、地域の皆さまの活気ある暮らしと福祉に貢献すべく、職員一同、精進してまいります。 今後とも、どうぞ変わらぬご支援のほど、よろしくお願いいたします。

  JA長野厚生連 北信総合病院
統括院長 荒井 裕国