about病院について
循環器内科
診療の概要
北信総合病院循環器センターの循環器内科では4人の循環器内科担当医師により、多様な循環器疾患の診療を行っています。急性心筋梗塞の緊急カテーテル治療、急性心不全の救急治療から慢性期管理まで幅広く行っています。北信二次医療圏の全域と隣接長野医療圏からの患者さんの紹介があり、対象人口約10万人に発生する循環器疾患は一定数が受診しますので、原則的にあらゆる循環器疾患に対応しています。
緊急PCI(冠動脈のカテーテル治療)は標準的に行われます。心臓血管外科のバックアップがありますので、IABP、PCPSなどの補助循環装置を使用した虚血性心疾患または心不全治療から、植え込み型機器(ペースメーカ、ICD、CRT-D)を使用した不整脈治療までほとんどの高度医療が可能です。これらの使用頻度は多くはありませんが導入からの経験は十分にあり、迅速かつ適切な適応を行います。カテーテルアブレーション治療は定期的に他院からの応援を得て必要な患者さんに提供しています。
心不全はガイドラインに基づく初期治療を行ない、基礎心疾患の精査・治療を適応します。包括的心臓リハビリを積極的に導入して、慢性期管理を安定させています。心リハ指導士を主軸に理学療法士と看護師により、心臓血管外科術前後も含めてほぼすべての入院心臓血管疾患患者さんに適応されています。入院初期から開始して、急性期診療から慢性期に維持するために必要に応じて外来でも継続しています。
慢性期の診療では通常の外来診療に加え、地域連携パス(慢性心不全と虚血性心疾患)を用いてかかりつけ医、地域診療所との連携医療にも力を入れています。2009年から開始して2020年度までに900例以上の患者さんが対象となりました。心不全パスでは550人に適応され、約50%が逸脱しますが、平均2.5年以上、280名余りが継続しています。虚血性心疾患パスでは約300名に適応されています。
循環器内科は2021年度以降も医師と充実のコメディカルが一体となって救急から在宅医療に引き継ぐ専門医療を日本の標準レベルで提供いたします。地域連携パスから地域包括ケアに発展する、循環型の医療介護福祉の連携体制に寄与していきます。
診療実績
平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 | 令和元年度 | 令和2年度 | |
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外来延べ患者数 | 10,994人 | 11,031人 | 11,637人 | 11,862人 | 11,806人 |
入院患者数 | 611人 | 601人 | 665人 | 644人 | 731人 |
主な検査・処置
(1月~12月実績) | 平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 |
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心臓カテーテル検査(PCI以外) | 157 | 172 | 225 | 212 | 216 |
経皮的冠動脈インターベンション(PCI) (・うち緊急PCI) | 62 (33) | 70 (28) | 96 (30) | 86 (39) | 72 (27) |
経皮的末梢動脈インターベンション(PPI) | 3 | 7 | 7 | 8 | 10 |
ペースメーカー植え込み術 | 31 | 33 | 51 | 46 | 46 |
ICD植え込み術 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 |
心臓細動器療法(CRT) | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
両室ペーシング機能付き植え込み型除細動器(CRT-D) | 4 | 1 | 1 | 0 | 1 |
カテーテルアブレーション | 15 | 14 | 12 | 23 | 23 |
電気生理学的検査(EPS) | 38 | 41 | 51 | 33 | 37 |
心エコー検査(経胸壁心エコー) | 4,507 | 4,845 | 4,927 | 5,075 | 5,399 |
心エコー検査(経食道心エコー) | 54 | 76 | 61 | 33 | 38 |
地域連携パス運用数(平成21年2月~)
平成29年3月末 | 平成30年3月末 | 平成31年3月末 | 令和2年3月末 | 令和3年3月末 | ||
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心不全 | 実患者数 | 353 | 427 | 496 | 532 | 580 |
継続数/逸脱(終了) | 221/132 | 241/186 | 297/199 | 307/225 | 284/296 | |
北信州虚血性心疾患(IHD) | 実患者数 | 180 | 229 | 268 | 280 | 310 |
継続数/逸脱(終了) | 141/39 | 182/47 | 215/53 | 189/91 | 214/96 |
心大血管疾患リハビリテーション
平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 | 令和元年度 | 令和2年度 | |
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実施患者数(入/外) | 683(338/345) | 762(327/435) | 775(311/464) | 809(294/515) | 828(343/485) |
専門医と連携したデータベース事業について
当院の外科では、患者さん目線の良質な医療を提供するために、医療の現状把握として、『一般社団法人 National Clinical Database』(以下NCD)と連携し、データベース事業に協力しています。
詳細につきまては下記リンクのファイルをご覧下さい。
NCDについて(PDF)(171.6KB)
NCD公式ホームページ(外部リンク)
担当医師
櫻井 俊平(循環器内科部長 兼 循環器センター長)
日本内科学会認定内科医・専門医
日本循環器学会専門医
日本高血圧学会専門医・指導医
日本心血管インターベンション治療学会専門医
清水 貴裕(循環器内科医長)
中澤 峻 (循環器内科医長)
日本内科学会認定内科医
厚生労働省 緩和ケア研修会修了
小松 稔典(循環器内科医長)
日本内科学会認定内科医
日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定医
厚生労働省緩和ケア研修会
井出 翔吾(循環器内科)
その他
慢性心不全と虚血性心疾患は北信州地域の11市町村にある3つの病院と41の診療所と地域連携パスを使用して協力して診ていく体制を確立しました。北信州心臓病地域連携包括ケア推進協議会を通して医療・介護・福祉の協働に貢献しています。