2020.06.17
37.トマトとミニトマトの栄養素の違い
これから旬を迎える夏野菜。なかでもトマトは、料理の彩りには欠かせない夏野菜の一つです。
トマトは一般的な大きさの大玉と小さなミニトマトがあります。どちらも同じトマトですが、栄養面で差は見られるのでしょうか?
トマトに多く含まれる栄養素って?
トマトに含まれる栄養素で代表的なものは「β(ベータ)‐カロテン」と「ビタミンC」です。
β‐カロテンはトマトの色素(カロテノイド)の一種で、体内でビタミンAに変換され私たちの皮膚や粘膜の健康を維持します。また、光を感じる際に必要な物質の材料となったり、活性酸素と呼ばれる有害な物質から体を守る抗酸化作用を持つなど、さまざまな役割を担っています。
※また、トマトの赤い色素は「リコピン」と呼ばれ、β‐カロテンの倍以上の抗酸化作用があると言われています。健康食品や機能性表示食品などにも使用されており、がんや動脈硬化の予防などで注目されています。
ビタミンCはコラーゲンの生成に欠かせない栄養素で、β‐カロテンと同様に皮膚や粘膜の健康を維持する働きがあります。また、抗酸化作用や鉄分の吸収を促進する働きなどもあります。
トマトとミニトマトの栄養面での差は?
実は一般的な大きさのトマトとミニトマトの間には、栄養面で明らかな差が見られるのです。
- トマト100g当たり・・・β‐カロテン 540μg、 ビタミンC 15mg
- ミニトマト100g当たり・・・β‐カロテン 960μg、 ビタミンC 32mg
ミニトマトの方が一般的な大きさのトマトに比べて、およそ2倍近くのβ‐カロテンやビタミンCが含まれていることが分かります。また、他の栄養素についても同様で、ミニトマトの方が全体的に栄養素が多く含まれています。
栄養面で見てみますとこうした差はありますが、一般的にミニトマトは甘みが強く、皮がしっかりとしているなど、味や食感にも差はあります。料理によってはさっぱりとした酸味のあるやわらかなトマトの方が合うものもありますし、好みもあるかと思います。
これから旬を迎える彩り豊かな夏野菜ですが、さまざまな栄養素を摂るためにも積極的に食事に取り入れていきましょう。
管理栄養士 中島 康一