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健康へのワンポイントアドバイス

38.新しい生活様式「マスクの着用」での熱中症に気をつけて!

暑い夏、心配になることといえば熱中症ですね。熱中症とは、高温多湿な環境でおこる体調不良の総称です。
2019年(5月から9月)の熱中症救急搬送状況は71.317人でした。(総務省 消防庁より)

このような状況の中、さらに今年は新型コロナウイルスの影響があり、新しい生活様式として「マスク着用」が推奨されています。感染予防の為に重要なマスクですが、その一方で熱中症のリスクが更に高まることが懸念されています。マスクの着用により、心拍数や呼吸数、体感温度が上昇し、身体に負担がかかると言われています。マスクによる加湿で口の渇きを感じにくくなることで、体調不良に気づくのが遅くなることも熱中症の原因です。

熱中症の症状は・・・

初期症状⇒めまい 立ちくらみ 筋肉痛や筋肉がつる
汗が止まらない 気分が悪い
中程度⇒頭痛 吐き気
重症化⇒意識障害、けいれんなど命にかかわる状況

マスクを使用することでの注意点
≪マスクの選び方≫
  • 黒マスク・・・黒色は太陽光を吸収しやすいために温度が上昇しやすいと言われています。できるだけ明るく、薄い色を選びましょう。
  • マスクの種類・・・感染を防ぐという観点から考えると、不織布マスクが良いでしょう。しかし、熱中症予防を考えると、通気性の良い物や冷感素材の物が良いと思います。人混みや感染リスクの高い場所へ行くときは不織布マスク、人混みの少ない場所で、ソーシャルディスタンスが取れる場所であれば、通気性重視にするなど、時と場所を考えて使い分けても良いのではないでしょうか。
≪気をつけるポイント≫
  • 水分をこまめにとる!
    マスクをしていることで、加湿が保たれます。すると、喉の渇きを感じにくくなり脱水状態になることがあります。1日1.2Lを目標にしましょう。起床時、食事時、外出時は1時間毎、入浴の前後など必ず飲む時間を決めるのも一つの方法です。水分は一気に取ると体に吸収しきれずに、尿として排出されやすくなるため、こまめにということが重要です。
    ※摂取水分量に制限がある人は、かかりつけ医と相談し、摂取量を調節して下さい。
  • 時間を選択する!
    屋外に出る際、マスクを付ける必要がある場合は、一日の中でも気温が低い時間を選ぶようにしましょう。出来るだけ、強い負荷のある作業や運動は早朝や夕方を選ぶと良いですね。
  • マスクを外すことも必要!
    周囲の人と距離を十分に取れる場所ではマスクを外すことも必要です。厚生労働省では少なくとも2m以上と言われています。
  • 自転車やバイクの乗車に注意!
    自転車やバイクに乗っているときは風があるため心地よく感じます。ついつい水分摂取をせずに走らせていると気づいたときには熱中症の症状が出ている可能性があります。しっかりと水分摂取をすることはもちろんのこと、自転車などに乗っている際などは、ある程度のソーシャルディスタンスが保たれるので、マスクを外すことも検討してみましょう。

!!熱中症の初期症状が出始めた場合はすぐにマスクを外しましょう!!

熱中症を防ぐために・・・
≪朝食は大切!≫
  • 人は寝ている間、気づかないうちに発汗しています。大人であれば一晩で700mlほどの水分が失われています。その為に、朝食を摂らずに活動することは熱中症のリスクを高め、とても危険です。更に大切なことは、朝食を摂ることで、水分と塩分の摂取が行えるということです。塩分量には気をつけなければなりませんが、味噌汁や焼き魚などつけると良いですね。
≪エアコンを上手く活用しよう!≫
  • 暑いときは無理せずにエアコンを上手に使用しましょう。高齢者は暑さを感じにくいので、温度計を見ながら温度や湿度を調節することも必要です。
≪牛乳で体作り!≫
  • 最近では、牛乳が熱中症予防に効果的と言われています。牛乳にはアルブミンというタンパク質が含まれていますが、これは、血流量を増やし、汗をかきやすくなり、熱を放散する機能が高くなります。つまり、体温を調節しやすくなるということです。日頃から飲むことで熱中症になりにくい体作りをしましょう。

日常ですぐ出来そうなことを上げてみました。
まだまだ暑い日が続きます。コロナウイルスも心配ですが、熱中症にも気を向けてみてください。
しばらくはマスクと共に過ごす生活になりますので、以上のことを参考に、さっそく私も始めてみようと思います!

保健師 佐藤 紗智子