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北信総合病院職員向け新型コロナウイルスワクチン接種後の副反応疑い調査結果報告(第1報)

地域の皆様へ

この度、当院職員向けの新型コロナウイルスワクチン接種後の副反応疑いに関する調査結果について、以下の通り公表いたします。

JA長野厚生連 北信総合病院 
統括院長 洞 和彦  
内科部長 千秋 智重

1.調査目的
 新型コロナウイルスワクチンの接種は新型コロナウイルス感染症を終息させる手段として不可欠ですが、一方でワクチンの安全性に対して不安を抱く方もおられます。新型コロナウイルスワクチンは、市販後も副反応疑いに関する調査が行われております。今回、地域の皆様のワクチン接種を進めていく一助とするために、当院職員向けの新型コロナウイルスワクチン接種後の副反応疑いに関する調査を行いました。

2.調査方法

・2021年3月12日~5月31日までに新型コロナウイルスワクチン「コミナティ筋注」を先行接種した当院職員に対して、副反応疑いに関するアンケート調査を行いました。
・コミナティ副反応報告と有害事象共通用語規準(CTCAE) ver. 5.0を参考に選択肢を作成しました。
・アンケートの回収率は1回目51.4%(499人/971人)、2回目51.1%(495人/969人)でした。
・本調査は当院倫理委員会の承認(受付番号:第2021004番)を得て実施しました。

3.調査結果

・主な副反応の発生状況

・ワクチン接種後に副反応疑いがあったとしても、多くは数日で自然軽快しております。症状に応じて、経過観察や対症療法等で対応する必要があると考えます。

・注射部位疼痛は1回目・2回目ともに高頻度で認めました。軽度の例が約60%で、日常生活動作が制限された例が1回目30.5%、2回目20.6%いました。

・倦怠感、頭痛、悪寒、関節痛、発熱は2回目の頻度が高くなっていました。

・発熱は37.0℃以上の方を集計しましたが、38℃以上の発熱(Grade1~3)が出た方は1回目2.0%(10名)、2回目16.8%(83名)いました。

・ワクチン接種後に受診した例は、1回目1.0%(5名)、2回目2.4%(12名)いました。頭痛、悪心・嘔吐、筋肉痛、しびれ、蕁麻疹、咳嗽などの症状で受診し、経過観察で軽快した方、点滴や内服薬による治療を行った例がありました。

・頻度は少ないですが、多汗、眠気、顔面浮腫、口腔咽頭痛、めまい、動悸、月経不順、不正出血を呈した例がいました。

・ショック・アナフィラキシーの発生は、当院では1・2回目ともにありませんでした。しかしながら、まれな頻度で発生する報告があるので、ワクチン接種会場においてもアナフィラキシー対応マニュアルを運用しております。

・2回目接種後の副反応の症状が重く、翌日以降の仕事に支障があった例もいました。

・因果関係は不明ですが、ワクチン接種後に扁桃周囲膿瘍で入院加療した例が1名いました。その他にワクチン接種による重大な事例はありませんでした。

・引き続き詳細な結果解析を継続いたします。

4.参考

  • 新型コロナウイルスワクチンに関する疑問については、厚生労働省のホームページをご覧ください。
  • 副反応が予防接種によるものと厚生労働大臣が認定したときは、予防接種法に基づく救済(医療費・障害年金等の給付)が受けられます。詳細はこちらをご覧ください。

5.研究実施体制

<研究責任者>

内科部長・呼吸器センター長 千秋 智重

<研究実施者>

薬剤部 薬剤部長 岡澤 香津子

薬剤部 薬剤部副部長 久保田 健

薬剤部 薬剤部主任 森川 剛

医療安全管理室 課長 丸山 剛正

6.お問い合わせ先

お問い合わせフォームよりお問い合わせください。